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2007-08-18 [長年日記]

_ [プロセッサ] 京速スパコン

漫遊日記 日々雑感より

  • ベクター型でなければ解けない問題があるのか?
  • スカラー型で実行するとどのような不都合が生じるのか?
  • 不都合があるなら、その不都合を定量的に示す必要がある。

実行効率の差が如実に出る(解くのに現実的な差が出る)ケースがあるのでしょうが、HPC challenge の4種類でトップを取るのにどうかと言われるとアレ感が漂いますかね。

むしろ、その先の展開をするのに vector 型が必要とかいったほうがよかったんじゃないかとか思いますが。

  • その量的不都合は、商業的に先が無いと思えるベクター型スパコンに巨額の投資をして新たな開発をしなければならないほどのものなのか?

そもそも vector と scalar との予算配分比が不明ではありませんか。 単に Earth Simulator を転がすだけかもしれません。

  • 海外では殆がスカラー型だけで済ませているが、日本にはスカラー型では済ませない問題があるのか?

scalar だけでは勝てないと踏んだ理由があるのでしょうか。 まぁ、新聞に出ていた通りの話だとは思いますが。

  • 「なぜ複合型なのか」から始まって

本当に複合型で実績を出せるのであれば、 旧型スパコンと新型スパコンとの複合でも性能を出す道が出るので、 リプレースのときのネタとして面白いかもしれません。

  • いきなり45nmの使用や、ESの高々40テラからいきなり10ペタへ、などといった大ギャップを越えることの実現可能性の問題

いきなりもなにも、Intel はすでに 45nm を実現している最中のような気がしましたが (45nm の Penryn が今年11月登場予定)。むしろなぜ時期的に 32nm とかではないのかを問うほうが面白いような気がします。

10PFlops は単に2011年ごろの予測性能に毛を生やしただけでしょうし、 peak 性能だけなら詰め込むだけ詰め込めばいいんだから出すことは可能。そのときに Linpack 実行効率 80% とかを出せる構成になっているのかどうかは知りませんが。逆に Linpack 10PFlops にするために必要な量だけ詰め込むんでしょうね。

Earth Simulator もその前から見ればギャップを超えてきているわけで、 それ自体文句を言うほどには感じません。 とはいえ具体的なものが何も出てきてないわけですが。

  • 消費電力や設置面積の問題

設置面積は神戸の新設地に入ることが要件として出されてるでしょうから、逆に消費電力も冷却含めて建屋に収納するのが絶対条件にはなっているんでしょう。

「画期的な省電力」の具体的な何かがないのでそれ以上は全く分からないのがなんともですが。

米国が先んじたために HPC challenge でトップをとれなかったときの保険(マージン)の追加マシン分まで考えられているかどうかは全く分かりませんね。

  • これらのギャップに対するリスクマネジメント」の問題

新しいことをやるんだからリスクは当然あるんでしょうが、 「失敗」したときに何が残るんでしょうね。 ここでΣの反省が生きるといいんですが。

  • 商品としての価値や国際競争力の問題

日本国内での超巨大スパコンの需要は(国が関係しない民間では)ないし (商品の観点では京速の時点で捨てているでしょうに)、国際競争力といっても政治的にアメリカに買って貰える可能性が低い(ほとんどない)以上、どないにもならない気が。

  • システム開発経費

赤字にしても黒字にしても出した時点で方々から文句が出ることが分かりきっているものを表には出せないのでは。


まぁ、なんというか、牧野先生のほうがズバズバ書いているよなぁ。