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2007-08-30 [長年日記]

_ [プロセッサ] スパコン漫遊日記

あら捜し度が大きくなってきたな。

 これは、本当に驚くべきことで、技術的可能性、電力消費、設置面積、など全てにおいて、閣議決定の内容を完全に覆す多大な変更を強いるものであるからである。

これはそうなのだろうけれど、真っ先には 「この変更で予算が増額されたわけではない」 ことがアレというか。 もともとこれで儲ける気だったのが儲からなくなったのか、あるいはもっと大赤字になるのかは知りませんけど。

技術的にはそれこそ BG/Q そのほか米国は同時期に同程度(orそれ以上)のことをやってこようとしているんだから、理論的には不可能ではないはず。 時期的に間に合うかどうかは知りませんけど。

スカラ部で10PFの場合は65MW+ベクタ部電力で、その他を含めて100MW前後必要と考えられるからである。

これは45nm前提になったおかげで多少は減るとしてもそのままでは (これに冷却設備そのほかで電力は食うので)

 これは完全に原子力発電機1基を必要とする程の電力消費量であり、

ではあるわけですが、最近の報告書でも

国内の大学や研究機関におけるスーパーコンピュータセンターの
受電設備容量は約1.5MW 以下、設置面積は約600 ㎡以下

の要求は変わらず表に出ているので、神戸の建設地の面積が大きく変わらない限りは個々から電力を下げる何らかのからくりはあるはずです。

部品単位の水冷技術を用いてCPU の動作温度を低く保つことにより
消費電力を低減化

という文言だけは出てきますが。 最近のテクノロジは off leak がかなり大きいので、極低温にして leak をおさえれば、冷却コストが上がってもトータルでは減るのかもしれません。 というわけで、直接

こんな馬鹿げた機器や施設がほんとに必要なのか? 

と断定するには早いわけです。依然多くは謎ですけれど。

Primepowerの例では実行性能比50%以下

現在は改善されていると言うのは牧野先生が指摘済のような。 とはいえ PRIMEPOWER は HPC2500 後継を出しておらず TOP500 登録するところがなくて直接確かめる術はないんですがね。 (でも SPECfp のスコアを見比べれば分かるところがあるとかいう)

まぁ、悪い数字を集めれば悪く見せられるのは当然と言う。

<地球シミュレータ(ES)は失敗作>

これはあまりにもひどい。

やり方はさておいても、現実に作ったうえで2年半トップに君臨した実績、 その脅威から米国があれこれやっているというのが常識だと思っていたのだが。 地球シミュレータ以降 SX シリーズは売り上げが上がっているとか聞いた覚えもある。

あと歴史的にはコンピュータが省電力をはっきり言い出したのは ES 以降 であり、「今だから言える」ことを当時に当てはめるのはなんと言うか。

で、日本は ES の成功に胡坐をかいていたのは最大の失敗だろうね。

# あと日本ではスパコンが売れないと言う商業的な理由もあるな。民間だけでは飯食っていけない。ES も稼働率はずいぶん低いらしいし。

あと、ES そのままで次が作れないのは理研や文科省も知っているから、ベクトル単独案になることが一度もなかったんだと思います。